ながめ

春霞に沈殿してゆく
緋色
風が吹き飛ばしてゆく
意識を
両の手でしかと掴み
遠き山並みの血溜まりを
現と知って
白波に落ちる
神苑にひと房はやし紫陽花や な消えたまひそ空透る色
石うつ水流は
蓮を咲かす
白鷺がじっと
花菖蒲と雲の内
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