鴉鵲会 花紺青 二月半ば、四年目に差し掛かろうとする大学キャンパスはもう見慣れたもので、何の不自由なく入り組んだ建物の間を歩く凌司の頬を夕暮れ時の冷たい風が静かに撫でていく。梅が咲き始めているし暖かくなるのももうすぐ... 鴉鵲会
鴉鵲会 シンジケート ◆ サイレンを鳴らして出ていく同僚の車を横目に見送り、安道聡美はジャケットの袖を少し捲って腕時計を確認した。六年前の事故で死んだ親友の形見が指すのは午後二時三十分。出勤後に調査のために署を出たのが朝の... 鴉鵲会
鴉鵲会 寒冷の候、花を啄む 十二月二十八日、いつも通りの朝。紺元凌司はネクタイを締めて、溜息をつきながらジャケットを羽織った。本当ならば仕事を納めて、どうにか年末の休みを確保したかったのだがそうは問屋が卸さない。一般企業や前職場... 鴉鵲会